hirunireの庭

日記、詩(のようなもの)。

猫とアレルギー

久しぶりにiPodの電源を入れたら、きのこ帝国の「猫とアレルギー」が入っていて、私だなと思った。その曲を知った当時は文字通りのどん底にいて、その曲に自分を投影して涙を流していた。今となってはその頃眠れなかったのは、きっと眠りたくなかったから。意味もなくだらだらと過ぎていく時化ているTwitterのタイムラインみたいな大学の春休み毎日、その日その日に満足することが出来なかった。相手がいる恋愛はわたしには難しすぎたのだと思う。ひとつの恋も長い時間をかけて地面の土と混ざり、完全にアスファルトに覆われる土砂となった。これから自分に恋のひとつがあるとしても、あんな恋愛はもう出来ない。それにはわたしは歳をとってしまった。興ざめしてしまうほどに分厚いアスファルトを自分で敷いた。好きだった人にもう触れられないことを残念に思う必要がないくらいわたしは強くなった。恋だけではない、眠らないのではなくほんとうに眠れない日々も乗り越えた。だからわたしはもう、きのこ帝国の「猫とアレルギー」を聴いても泣いたりしない。もしも、忘れてしまった傷みをまた思い出したら、またこのiPodの電源を入れて、今みたいに懐かしむだろう。