hirunireの庭

日記、詩(のようなもの)。

decaying

 

 

 

 

留めておきたい感情が誰の言葉にも当てはまらなかったら流れる日月だけが平等に記憶を腐らせることになっている。細胞が、葉脈が、まるっきり入れ替わる頃には私はひとつの葉となって風の中を舞うだろう。塵と等しくなったというひとつの事実に香りづけをして、ティーカップスリランカの夕陽の色に染め上げる。そうして、私は愛がするのと同じ様にそっくりそのまま循環していく。誰の腕からもすり抜けていく私を私は祝福しながら、今までしてきた我が儘に蓋をする。清算が天秤にかけられる頃には私はふやけてひとつの出涸らしとなり、なんの役にも立つことはない。文字通りの屑として土の一部に成り果て腐った果実を飲み込んでいく。理由もなく私はそれを祝福する。忘れ物のない旅行なんてない様にこの世界にひとつ、残して、螺旋階段を駆け降りる。わざと足音を立てるのは、君に気づいて欲しいからだよ?