hirunireの庭

日記、詩(のようなもの)。

砂の堆積

さえぎられた壁のような時間を、たしかにすごしていた。ぬるく怠く、いまもつづいているその時間の堆積に埋もれるかのように、わたしを思いだしてくれるひとなんか誰もいない。白いレースのカーテンに西陽がしみ入ると、この午後が永遠に退屈なものだとわかる。動画に撮られていたわたしは、やけに太ってみえた。じっさい、そうなのだろう。5年もすれば体型なんて崩れてしまう。いまは熟れた柿のぬるっとした部分を、忘れまいとしていたい。
久し振りに仕事をした。親切な人が親切に仕事を教えてくれた。朝早く起きて、夜は沼に落ちるように眠る。昼休みに好きな劇作家の短編をひとつかふたつ、読むだけの生活。あっという間に時間は過ぎて、仕事の最終日の帰りにふらっと銭湯に入ったら、気持ちがよくて労働も悪くないなと思った。最近、近所のすずめたちがすごく鳴いている。