hirunireの庭

日記、詩(のようなもの)。

無題(2020.2)

地下鉄へとつづく
階段を下りてゆくとき
海の底へ潜っている感覚が
よみがえる
潜水艦には ひとりぶんだけの
席が用意されていて
わたしは空のペッドボトルを、
口に咥えて
左右対称の形をした天井を見上げる
苦しさは
生きている証拠だから
安心する
きょうもちゃんと苦しい
目覚まし時計だ
無機質な電子音が鳴る
もとめていたのは
羊水に包まれていたときの
記憶